15th Aug

640hindi04

 
ゼロからのヒンディー 第4回

デーヴァナーガリーの基礎、
終了(かな?)

 

母音記号

前回までで基本の母音と子音が出尽くしました。ただ、言葉の多くは母音子音単独で発音するより組み合わせで発音することが多いです。当然デーヴァナーガリーでもその組み合わせの表記法があります。子音の文字に母音記号を足すことによってその組み合わせを表現します。
母音記号によって子音の文字の上についたり前についたり下についたり、どこにつくかがまちまちですが頑張って覚えましょう! 表ではka段の例で組み合わせてみました。
 
 
母音記号の表 


 

母音
母音記号

ि

ka段

का

कि

की

कु

कू

कृ

के

कै

को

कौ

発音
ki
ku
kṛ
ke
kai
ko
kau

 
 

 

鼻子音記号、鼻母音記号

さらに、鼻母音記号、鼻子音記号というものがあります。鼻母音記号がつくとついた文字の音の後に鼻から抜ける音を出します。「ン」に近い音です。鼻子音記号がつくと鼻子音記号の後の文字の音の前に鼻音がつきます。「ン」と発しましょう。すで混乱しているかと思いますがどちらも「ン」に近い音です。非常に区別がつきづらいですね。(細かい説明は文章では難しいので飛ばします!)
 
 
鼻母音の表


鼻母音なし
鼻母音あり

अँ

आँ

इँ

ईं

उँ

ऊँ

एँ

ऐं

ओं

औं

発音
ã
ā̃
ī̃
ū̃
aĩ
aũ

 
 
 
鼻子音の表  例)ガンガー/gaṅgā(ガンジス川のこと)


गंगा = गङ्गा

 
鼻母音の表を見ていただくと分かるのですが、鼻母音記号が2種類あります。横線シロレーカーの上に何も表記が無い場合は点と三日月、何か表記があるときは点のみ、というルールだそうです。鼻子音の説明は難しいですね。ガンガーの例を見ると表記が二種類あります。鼻子音記号「・」がついたものと鼻子音記号を使わない表記です。どっちも同じ読みですし、どっちの表記でも構いません。鼻子音の成り立ちや発音方法の説明は非常に難しいのですが、今は「・」がついたら「ン」と読むと覚えてもいいようです。ココまで勉強したら、この連載のタイトルがやっと読めるようになりました。「ヒ ンディー」ですね。鼻子音記号を使わない書き方だと「हिन्दी」です。読めましたか? 
 
 
(9月3日追記)
デーヴァナーガリーの表記法で、まだありました。ほんの少しなのでこちらに追記します。摩擦・弾き音と呼ばれるくくり……です。
 
 
その他の文字


文字

ज़

ड़

ढ़

फ़

発音
za
ṛa
ṛha
fa

 

左から順に「ザ」「ら」「らは」「ファ」です。「ら」と「らは」は反舌音。ラの音だけで4つ音があるというのは厄介ですね。ra/la/ṛa/ṛha。これで、デーヴァナーガリーの基礎は全部。ですがフォントを眺めるとまだ見たこと無い字がいくつかあるのでまだありそうです。र॰क्षळऱऩとか見覚えが無い……が、ひとまず基礎は終了。

というわけで、やっと色んな言葉をデーヴァナーガリーで書けるようになりました。例えば私の名前「ジュンイチ ニシムラ」は

जुंइचि निशिमुरा = जुन्इचि निशिमुरा

です。日本語の「あ」の母音の段は長母音の「आ」の仲間にしたほうがいいそうです。
これでだいたいの文章は書けるようになりました。次はいよいよ文章が始まります!

以上、ICCの澤田彰宏先生の授業をもとに執筆しました。ICCの澤田先生のヒンディークラスは6か月単位で開かれ、毎年6月と12月に生徒を募集しています。募集日程が決まったらナンバルワンで紹介します!

(西村淳一)