マダム・イン・ニューヨーク English Vinglish
映画の「売り」っていろいろあると思うんですが、この映画の売りは主人公シャシを演じるシュリデヴィの美しさ。モデル並みの美しさと輝きがあるのに、身近にこんな人がいるんじゃないかと毎日キョロキョロ見回したくなるくらい「身近感」溢れる美人を演じきっています。しかも、それはもう奇麗な奇麗なサリーを毎日毎日着替えて登場するんです。
ストーリーは、単身NYにやってきた古風で英語が苦手なインド人の専業主婦の主人公、シャシの努力・友情・勝利が詰まった軽快なお話。主人公の直面する困難や努力に涙もろい人だったら涙腺崩壊しっぱなし!
カルチャーギャップがこの映画のテーマの一つです。まだ見ていない人たちは、映画に出てくるインドカルチャーを予習しておきましょう!
インドの公用語はヒンディー(語)
インドの公用語はヒンディーなのですが、首都デリーを含む北インドの一部でしか通用しません。インド全体で一番通用するのは実は英語かもしれないのです。
とはいえ意外と通じるヒンディー
映画中にウルドゥー(語)をしゃべるパキスタン人が出てきます。彼らのしゃべるウルドゥーはヒンディーの方言のようなものでヒンディー話者とある程度意思疎通ができます。ついでに言うと、ネパール語でもヒンディー話者とコミュニケーションがとれます。
インド人は「ありがとう」を言わない
言わないですね。インド人の友達ができて親しくなると、彼らに対して「ありがとう」を言うと嫌がられるようです。「他人のために何かをするのは当たり前。お互い様でお礼は無しよ」という感覚みたいです。「ありがとう」という言葉は日本人からすると90度のおじぎくらいの余所余所しさってところでしょうか。
うなずく時に首をかしげる
肯定の意志を示すジェスチャー……日本であればウンウンとうなずくところで、彼らは首を横に傾けます。ウンウンと何度もうなずくときは首振り人形のように左右に傾けるんです。否定しているように見えてしまうのですが、おもいっきり肯定です。
監督は新人女性監督のガウリ・シンデー。何と74年生まれの39歳。インドには女性映画監督が多い印象ですよね。世界に先駆けた女性首相がいたり、現駐日大使も女性……他の国と比べて(意外にも)男女差別が少ない部分があるんですよね。
でも、この映画はインド人以外の人種をちょっと下に見ているのが透けて見えるんですよねー。ま、それも異文化。
▶マダム・イン・ニューヨーク English Vinglish 公式サイト
東京ではシネスイッチ銀座で上映中!!(2014/8/11現在)
(西村淳一)