25th Aug

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映画で垣間みる
インドの恋愛観と結婚観

バルフィ!人生に唄えば / BARFI!

 今年は日本にとってインド映画豊漁の年。作品を眺めてみると、結婚式のシーンがとっても多いです。今年に限らず、結婚が絡むインド映画はたくさんあるんですよね。
 インドの伝統的な結婚には独特な特徴があります。親同士が決める結婚相手、派手な結婚式、嫁入りに必要な持参金……等々。結婚がテーマの映画はそういった伝統的な結婚と自由な恋愛を対比していることが多いです。オチとしては結婚の崩壊もあれば、結果いい夫婦になったりと様々ですが、映画製作者が現在の伝統的な結婚観に一石投じていると感じることは多いです。
 今回紹介する映画「バルフィ!人生に唄えば」は自由奔放なろうあ者の主人公を巡る恋愛物語。前半はダージリンの山の自然に囲まれた町を舞台に結婚を控えた女性との禁じられた恋の話。後半は性格がユニークすぎて孤独な日々を送る幼なじみの女性との心温まる恋愛生活を描く。こちらはダージリンからの逃避行と大都市コルカタが舞台。70年代の大都市と異国情緒溢れるBGMが相まって、なんだか絵本のような不思議な魅力に溢れています。この二本のラブストーリーが決着のシーンを迎えるのですが、どっちを応援するかによって「ほら!早く言え!」「言っちゃダメだ!」と見方が全然変わると思います。どっちにしてもハラハラする3人の結婚と自由な恋愛の行方はいかに?

 

バルフィ!に垣間みるインド映画
 細かい描写にちょっと問題が多いインド映画。「罪悪」にたいする許容度が広く、臭いものは適当に蓋して、いい話でおさめます。細かいモヤモヤは押し込めて観た方が楽しめます。
 インド映画によく出てくるのが名作のパロディ。この映画にもハリウッドから香港映画、なんと日本映画からも(!)パロディシーンが出てきます。皆さんお気づきでしたか? 私が気付いただけで3シーン。もっといっぱいあると思いますよ。
 「ユニークな女性」ジルミルを演じるのはプリヤンカー・チョープラー。インド屈指の美人女優が、▶今までのイメージとは全然違う役を演じました。はじめは演技が過剰な気もしましたが、最後は彼女で良かったと思わせる名演です。
 結婚と言えばサリーは基本的に既婚女性の服装です。さらに地域によってはブレスレットも既婚の印。コルカタのある西ベンガル地方では紅白一組のブレスレットが既婚の印なんです。映画内で見つけられますか?
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西ベンガル独特の既婚女性が身につけるブレスレット。白のリングが貝でできているのが特徴。コルカタにて購入。西ベンガル地方に行かれる方はお土産に是非。プラスチック製のものが中にはあるので、頑張って本物の貝殻のブレスレットを見つけてください!

 
 

▶映画『バルフィ!人生に唄えば』公式サイト
8/22より、TOHOシネマズシャンテ、新宿シネマカリテほか全国公開!

(西村淳一)