17th Apr

東京国立博物館 タイトル

東京国立博物館で
「特別展 インドの仏」以外に
南アジアのお宝発見

現在「コルカタ・インド博物館所蔵 インドの仏 仏教美術の源流」(〜5/17日まで)が開かれている東京国立博物館(東博)。「インドの仏」はざっと回れば1時間程度。ぜひじっくりゆっくりどうぞ。
特別展もいいのですが国立博物館の大きな魅力は常設展でして、近代以前の国宝、国宝級の日本の美術工芸品がずらりと並んでいます。ただ、膨大すぎてこれを全部見ようとすると本当に丸1日かかりますし、最高級の美術品は1時間も見ているとどっと疲れてしまいます。見たいものを選んで見ないと疲労しか記憶に残っていないなんてことになりそうです。
東京国立博物館 本館 表慶館

写真上は博物館本館。建物自体が重要文化財。学校で「帝冠様式」って習いませんでしたか? 下は「インドの仏(〜5/17)」が展示されている表慶館。実はこの建物も重要文化財。建物もじっくり見てください。

今回は「インドの仏」のお話ではないんです。ナンバルワン読者が「インドの仏」鑑賞後に見るべき、オススメなのに忘れられがちな常設展セレクトを紹介。ズバリ「東洋館」。東博の日本以外のアジアの古美術のための建物です。特にパキスタン、インドの仏像コレクションは今回の「インドの仏」に量はともかく質は負けていないコレクションです。インドに限らずカンボジアのヒンドゥー神像やアジア各国の仏像もあります。東洋館にはエジプトコーナーもあり、オリエンタル美術興味を沸き立たせる展示が一杯です!
もちろん時間と体力があれば本館1階の日本の仏像コーナーも見て、日印の仏像比較をするのも本当に楽しいですよ!

東洋館2階のインド・ガンダーラの彫刻コーナー。パキスタン、インド、アフガニスタンの仏像、神像がずらり。パキスタンの方がやや欧州よりの顔、インドの方がアジアよりの顔ですよね。

東京国立博物館 東洋館 インド・ガンダーラの彫刻

地下1階のアジアの染織、インドの細密画コーナー。18〜19世紀の南インドの更紗を中心に刺繍絣(かすり)が展示されています。

東京国立博物館 東洋館 アジアの染織 インドの細密画

地下1階のクメール彫刻コーナーでは、クメール(カンボジアの前身)の仏像や、ヒンドゥーの神像が見られます。写真左はビシュヌ、右はガネーシャ。インドやネパールと違ってポーズやシルエットがが直線的ですよね。

東京国立博物館 東洋館 クメールの彫刻

期間限定 一緒に見たい「象めぐり」

「親と子のギャラリー 美術のくにの象めぐり」
本館 特別2室    ~5月17日(日)まで(平常展or特別展の入場料で閲覧可)

「インドの仏」と同じ期間に、象がテーマの部屋が設置されています。当時のほとんどの日本人が見たことの無い「象」がいかに美術になったか。アジアの他の国ではどのような表現になったのか。あんなに大きな生き物がどうしてもかわいらしい表現になっているのが微笑ましいです。
ガネーシャが描かれたサリーやインドの細密画なども展示されています。是非。東京国立博物館 親と子のギャラリー 美術のくにの象めぐり

もちろんこちらも見逃せない

「コルカタ・インド博物館所蔵 インドの仏 仏教美術の源流」
表慶館   ~ 5月17日(日)まで 入場料 一般1400円他

インドのコルカタ(旧カルカッタ)にあるアジア最古の総合美術館、インド博物館の古代美術コレクションを紹介する特別展。シルクロードの中間点として東洋西洋の影響を受けていること。もちろん仏教の発祥発展の地であることからもインドの仏像美術を見逃すことはできません。敬虔さと可愛らしさを同居させたインドの仏像は、親しみと神秘の不思議な境界線を見せてくれる気がします。こちらもぜひ。ざっと見ればビデオ10分を合わせても通常1時間程度でまわれる規模です。

(2Fの教典の展示、展示品は複写に見えるんだよなぁ(係員に聞いたら本物だと言っていた)。あと、女尊など女性の神様の絵だけ文字が逆さま。なんでだろう……気になる)

東京国立博物館 インドの仏 チケット